セミナー「ワーグナーオペラ作品に描かれたヒロイン像~巨匠が愛した音と香り~」に太閤木下建設株式会社が後援させていただきました。

こんにちは、太閤木下建設株式会社広報部です。

 

2018年11月15日(木)18:30~20:00、毎日メディアカフェ(毎日新聞東京本社、東京都千代田区)にて「ワーグナーオペラ作品に描かれたヒロイン像~巨匠が愛した音と香り~」が開催されました。
 

このセミナーは一般社団法人奏楽会、香育文化交流会が企画し、弊社が後援させていただきました。
 

オペラの上演を主とした活動により、クラシック音楽芸術が広く日本で受け入れられることを目指して設立された一般社団法人奏楽会は、オペラの醍醐味を味わえる公演を定期的に上演しています。

 

2019年1月8日、千代田区文化事業助成対象事業として紀尾井ホールで奏楽会presents「ニューイヤー・ワーグナー・グランド・ガラコンサート」が開催されます。このコンサートではワーグナーの有名な楽曲が演奏されます。

 

セミナーでは、コンサートでブリュンヒルデ役を務める二期会会員オペラ歌手の武井涼子さんがメインスピーカーを務め、ゲルヒルデ役を演じる萩原雅子さん、オルトリンデ役の鈴木晶子さんも登壇しました。

 

(右)武井涼子さん、(中央)鈴木晶子さん、(左)萩原雅子さん

 

以下、毎日メディアカフェのイベント開催レポートです。

 

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「ワーグナーオペラ作品に描かれたヒロイン像~巨匠が愛した音と香り~」が11月15日、毎日メディアカフェで開催されました。

このセミナーは一般社団法人奏楽会、香育文化交流会が企画しました。一般社団法人奏楽会は、オペラの上演を主とした活動により、クラシック音楽芸術が広く日本で受け入れられることを目指して設立されました。クオリティが高く、オペラの醍醐味を味わえる公演を、定期的に上演しています。2019年1月8日、千代田区文化事業助成対象事業として、紀尾井ホールで奏楽会奏楽会presents「ニューイヤー・ワーグナー・グランド・ガラコンサート」が開かれます。ワーグナーの有名な楽曲がほぼ網羅されるコンサートです。

 

セミナーでは、コンサートでブリュンヒルデ役を務める二期会会員オペラ歌手の武井涼子さん、ゲルヒルデ役を演じる萩原雅子さん、オルトリンデ役の鈴木晶子さんが登壇しました。

 

最初に武井さんがオペラについて話しました。

武井さんは東京大学卒業、コロンビア大学MBA修了。コロンビア大学声楽実技クラス単位取得。オペラでは 『ラ・ボエーム』(ミミ)『不思議の国のアリス』(女王)など、コンサートでは「ワーグナー・グランド・ガラコンサート」、二期会「サロン・コンサート」、ソシアーレ歌劇場でのコンサート(イタリア)、国連本部でのコンサート(ニューヨーク)など、国内外で活躍しています。東京二期会、横浜シティオペラ協会、日本演奏連盟会員。

現在、グロービス経営大学院大学准教授(マーケティング)。経済専門サイトNewsPicksのProピッカーとして約2万5000人のフォロワーを持っています。著書に「ここからはじめる実践マーケティング入門」などがあります。

武井さんは「初めてオペラを見る人のために話したい」と切り出して、次のように話しました。

 

「オペラは舞台で最も総合芸術です。演劇と音楽で構成されます。物語があるというのがポイントで、演劇であるというのが最低限の要件です。舞台の監督、演出家のほか、もう1人、音楽の監督、指揮者がいます。オペラの指揮は交響曲の指揮とは少し違い、どこのタイミングで舞台の幕が開くのかなど、舞台上の動きも全てを理解して、指揮します。舞台上には歌手がいます。レストランに『本日の魚』があるように、歌手には『ボイス・オブ・ザ・デイ』があります。声はその日の調子で違います。

その他にも色々な要素があり、交響曲しか振ったことがない指揮者はうまくオペラの指揮ができないことがあります。舞台では独白はあまりありませんが、オペラではこれが多用されます。自分が心の中で思っていることを歌手として歌う。感情表現が重要です。
オーケストラに伴奏されながら歌い演じます。オーケストラはオーケストラピットという舞台の手前の半地下のところにいます。オーケストラが下にいることによって、歌手の声がその上を越えていくことができます。

原則として、機械による声の増幅はしません。舞台の横などにマイクを置くことはあります。会場が音がまったく反響しない場所のときには、声が聞こえなくなるので、そういうときには、マイクが入ることがあります。大きい声を出せば聞こえるわけではありません。楽器としての劇場と私たちの声が共鳴することで聞こえるようになるのです。ベルカントという唱法です。ベルカントができれば、声が届きます。技術がすばらしかったのは、最近亡くなったスペインのオペラ歌手モンセラート・カバリエさんです。現在の歌手ですごいのはロシア出身のアンナ・ネトレプコさん。ソチ五輪で国家を歌った歌手です。アンナは売れていない時代にはメトロポリタン歌劇場の周辺の路上で自作のCDを売っていたこともありました。しかしあっという間にその実力が認められてデビューしました。

オペラ歌手は普通、音楽大学を出て修士課程に行き、卒業後30歳前後に主役級を歌い始めることが多いです。声帯は成熟するまでに時間がかかります。自分の声を扱えるのは30歳ぐらいなのです。その前に無理をすると歌手の寿命が短くなることもあります。日本では若い人をちやほやすることがありますが、それのせいで消えてしまう人もいます。大きく重めの声は40歳ごろになってよくなります」

 

「オペラを見たことがありますかと尋ねると、『オペラ座の怪人』を見たことがありますという人がいます(笑い)。あれはミュージカルです。オペラ歌手が歌っても、演劇でなければオペラではありません。オペラ歌手は役者です。役になりきって歌うのが仕事です。何かの役になって歌います。フィギュアスケートと似ています。聞かせどころを外さない。ジャンプを外さないのと同じです。フレーズを美しく保つというのも大事です。
生まれ持った声で、役が違います。ソプラノでもいろいろ分かれていて、ざっくりと申しますと高い音から、レッジェーロソプラノは女中役リリック・ソプラノは悲劇のヒロインを歌うことが多い。だいたい絶世の美女で死にます。

ドラマチック・ソプラノというのが私の声で、神様といった人でない役が多い。メゾ・ソプラノは魔女役が多いですが、色っぽいカルメンもあります。最高音の音の違いは1音とか半音です。それだけの違いで、役柄が変わってしまいます。年齢によって声は違ってきます。軽くなってきたり、重くなってきたりします。だいたいの人は重くなります。アンナ・ネトレプコはデビュー当時は軽めのリリック・ソプラノでしたが、年齢を経て、今年はドラマチック・ソプラノの役であるアイーダに挑戦し、歌いこなしました」

 

武井さんは「日本のオペラ歌手の人数は?」と参加者に問いました。1000人ぐらいに手を上げる人、100人以下に手を上げる人もいました。
「声楽家団体の東京二期会は2700人の会員がいます。藤原歌劇団には1000人います。オペラで主役級を歌っている方は数百人ぐらいかもしれませんが、施設に慰問に行ったり、ピアノを教えたりしている人もいます。ある程度歌える方はたくさんいます。日本のオペラ歌手で世界で活躍している人は藤村実穂子さん、重松みかさんらがいます。世界的に評価されていますが、日本ではあまり知られていないかもしれません」

 

続いて、オペラとワーグナーについて説明しました。
「オペラはイタリアで生まれて、フランスとドイツで発展しました。オペラはアリアと呼ばれるソリストの独唱曲を。2人から7人程度のソリストが歌う重唱、合唱、バレエなどで構成されています。バレエはオペラから生まれました。フランスではグランド・オペラ形式が完成しました、これは5幕物のオペラで、壮大な舞台装置と、必ずバレエが入ります。

ドイツではワーグナーが楽劇を生み出しました。ワーグナーは単にオペラを数多く作曲だけではなく、指揮者としても有名です。ブラームスとは仲が悪く、その結果、ドイツでは指揮の流派が2派あります。演出家としても有名、文学者でもあり、台本もワーグナー自身が書いています。普通はどんな作曲家も台本は別の人が書きます。ワーグナーは経営者でもあります。彼がつくったバイロイト祝祭歌劇場は、自分のオペラを完璧に見せるためにつくりました。今はワーグナーのひ孫が経営しています」

 

この後、ワーグナーの代表的オペラの荒筋を紹介しました。

「タンホイザー」「ローエングリン」「トリスタンとイゾルデ」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「ワルキューレ」です。「どれも、荒唐無稽の話ですが、音楽とともに聴くと、素晴らしい物語に聞こえる。オペラの魔術です」と武井さんは話しました。

 

ここで、ブレークタイムになり、武井さんの同級生で香育文化交流会主宰の木下薫さんが「ワーグナーが愛した香り」を紹介しました。

木下さんは「みやびKids~香親会香道おやこ教室」の運営などをしています。木下さんは香りのある花の形の紙を参加者に配りました。
「ワーグナーが日常愛用していた香りです。香りの名前はオーデコロン。これはケルンの水という意味です。ドイツ・ケルンの4711と表示される土地に工場があり、製品名に4711と入っています。柑橘系のシトラス、ネロリ、真ん中にラベンダーとローズマリーがはさまれています。精製水とアルコールでブレンドされています」

 

木下さんはワーグナーが4711を愛用していた証拠の文献として、1879年にワーグナーが友人にあてた手紙の日本語訳を読み上げました。「オーデコロンを安く送ってくれないか。1カ月に1リットル使うので、3リットル送ってほしい」との内容です。木下さんは柑橘系の橘を詠んだ和歌2種を紹介しました。

 

ここから、鈴木晶子さん、萩原雅子さんが武井さんとともに登壇しました。

鈴木さんは昭和音楽大学音楽学部声楽学科卒業。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第22期修了。2005年イタリアでOdelzo・Mottaの劇場にソリストとして出演したほか、バッハ『ヨハネ受難曲』ヘンデル『メサイア』ベートーベン『第九』のソリストを務めました。2014年福島県で行われた『楽天こども音楽祭』に参加し、ソリストとして東京フィルハーモニー交響楽団と共演するなど活躍の場を広げています。藤原歌劇団所属。

 

萩原さんは東京音楽大学卒業。ウィーン・マイスター・クルゼ受講、エディット・ヴィーンス氏の指導を受けディプロムを取得。東京国際芸術協会新人オーディション合格、コンセール・ヴィヴァン新人オーディション合格、全日本フランス音楽コンクール優秀賞、レ・スプレンデル音楽コンクール奨励賞受賞。モーツアルト『戴冠ミサ』ソプラノソロを務めるほか、『じゃじゃ馬ならし』家政婦、『ヘンゼルとグレーテル』グレーテル等で出演しました。東京オペラ・プロデュース・メンバー。

 

武井さんの質問に2人が答える形で、話が進みました。オペラ歌手であることの魅力として、鈴木さんは「家族が喜んでくれたこと、そして、いろいろな人生を演じられることがうれしい」、萩原さんは「聴いている方に喜んでいただけることです。テーマによってはネガティブなことを表現します。憎しみ、絶望といったことですが、その先には人間のよいところがある、その先にあるものが素晴らしいと思います。それを音楽を通して伝えたい」と語りました。

 

 

奏楽会presents「ニューイヤー・ワーグナー・グランド・ガラコンサート」

https://www.sogakukai.com/wagnergrandgala2019/

 

毎日メディアカフェ

http://mainichimediacafe.jp/